ただ、nonさんが、おっしゃるように、これまでの不妊期間や年齢を考慮にいれた方針を明確にすることが絶対条件です。
ですから、ご相談への回答としては、そのあたりのnonさんに応じた治療方針や見通しを、いったい、先生は、どのようにお考えなのか、じっくりと確認しましょう、ということになります。その際に、nonさんが、どんな観点で、先生の説明を聞いたり、質問すればよいのか、参考にしていただけるお話しを、以下に、出来ればと思います。
現時点では、基礎体温表が2相性を示していて、卵管造影検査やご主人の精液検査にも異常が認められなかったとのことですので、おそらくは、ちゃんと排卵がおありで、
卵管もちゃんと通っていて、ご主人にも問題はないようですから、明らかに、妊娠を妨げているものはないようです。
不妊の基本検査とされているのは、後は、フーナーテストでしょうか。
排卵日付近に、早朝に性交し、病院にいって頸管粘液を採取して、その中の精子数を調べるものです。
ご主人から十分な精子が送り込まれているか、また、精子と頸管粘液の相性をチェックします。
既に、精液検査で問題がなかったとのことですので、精子の運動の障害となるような抗精子抗体がないかを調べることになります。
もしも、フーナーテストが問題がないとなっても、不妊の原因はこれまで調べたものだけではありませんので、もちろん、更なる、検査を受けて、原因を突き止めるという考えもあるのでしょうが、現実には、なかなか、不妊の原因を、明確に突き止めるのは困難なケースが多いということも、知っておく必要があります。
それほど、不妊の原因は変動的で、複合的なのかもしれませんし、妊娠のプロセスは複雑であり、また、とてもデリケートなものなのかもしれません。
ですから、普通の病気のように、原因を突き止めて、その原因に対して治療を施せば病気が治るというように、単純にはいかないことが多いわけです。
このことを、まずは、正しく認識しておかないと、不必要にご自身を責めたり、焦ったりといったことになりかねません。
それでは、今後の治療について、どのように考えていけばよいのでしょうか。
さらなる、検査ということで言えば、腹腔鏡検査ということになりますでしょうか。
実際に、お腹の中を直接みるわけです。
そうすると、今まで、みつからなかった卵管の周囲に癒着があって、卵管造影検査ではわからなかった不妊の原因をみつけることができるかもしれません。
例えば、卵巣から排卵された卵子を卵管采がうまく取り込めていない可能性とか、子宮内膜症があったとか、です。
また、その場合、検査と同時に、癒着を剥がすとか、内膜症の病変をとってしまうとか、治療も同時に施してもらうことも可能です。
ただし、腹腔鏡検査で、何らかの"原因らしきもの"が認められ、治療を施したとして、それから、最低は、自然妊娠を待つということになります。
それで、妊娠に至れば、もちろん、それに超したことはないのですが、問題は、半年経過しても、妊娠しなかった場合です。
そうなると、そのまま、あと、半年、1年と待つのかどうか、ですが、大切なことは、タイムリミットがあるという、現実です。特に、母親になる女性の年齢が37才を超えると、妊孕性(妊娠する力)は、急激に低下します。もちろん、最近は、40代で、妊娠、出産される方も珍しいことではありませんし、決して、焦らせるわけではありませんが、
妊娠は、常に、100%ということはあり得ず、確率論を意識しておくことが大切なのです。
このように、年齢を考慮に入れた場合は、体外受精という選択肢があります。
考え方としては、不妊の原因がみつからない場合、原因を徹底的に追求しても、必ずしも、原因が特定するのが困難なこと、そして、原因がみつかっても、それに対する治療を施して、自然妊娠を待つとい時間的余裕がない場合は、妊娠のプロセスを人為的にバイパスすることで、不妊を克服する、もしくは、妊娠の確率を上げましょうというわけです。
また、本来は、女性のお腹の中でおこっている受精や受精卵の初期の成長プロセスを、実際に、目でみて確認できるわけですから、検査的な意味合いもあります。
ただ、高度な治療となると、妊娠に至る確率が高くなりますが、もろもろのリスクも高くなりますから、ご主人ともども、よくご相談されることが必要です。
いかがでしょうか?
後は、このような背景を理解、認識されたうえで、先生とご相談下さい。
そして、どのような考え方で臨まれるのか、最終的に決めるのは、nonさんとご主人です。
後悔しない選択をなさることが大切だと思います。
うまくいくことを、心より、お祈り申し上げます。