まずは、男性の精液の状態は、その時々の体調やストレスの影響によって変動するものですから、一度の検査結果でご主人の妊娠させる力を決めつけてしまうのは早計です。
3週間程度の期間をあけて、3回程度は検査を繰り返して、そのうえで、判断すべきです。
また、喫煙の習慣や深酒、ストレス等は、精液の状態に影響するものですから、タバコについては、禁煙するに超したことはありませんし、ストレスを発散するような工夫も講じることが大切です。
精液検査の数値と妊娠させる力の関係ですが、一応、WHOの基準では、精子濃度は1ミリリットルあたり、2,000万個以上で、運動率は50%以上となっていますが、日本では、もちろん、施設や医師によって見解は、多少、異なるとは思いますが、精子濃度で、4,000万/mlを下回ると妊娠しにくいとの診断になるようです。
泌尿器科での乏精子症の治療は、まずは、 漢方薬やビタミン剤が処方されるのが一般的です。
滋養強壮のハーブや抗酸化サプリメントなどが有効であるとの報告もあります。
体調やストレスの影響で、一時的に精液の状態が悪化していただけであれば、生活習慣を改善しながら、漢方薬やサプリメント等の服用で、数値が正常になり、自然妊娠するケースも少なくありません。
もしも、検査を繰り返しても、やはり、正常値を下回るような状態であれば、漢方薬やビタミン剤も特効薬ではありませんので、精液の状態をよくする努力をしながらも、女性側に治療を施すことで、妊娠の確率を高めることを検討することになります。
具体的には、1,000万~4,000万/mlで人工授精の適用になり、1,000万/mlを下回ると体外受精や顕微授精の適用となるのが目安でしょうか。
だいたいこんな感じです。
繰り返しますが、一度の検査結果だけで、断定的なことは言えません。
最後にご参考までに、過去に、聖マリアンナ医科大学泌尿器科で、パートナーが妊娠中(全て自然妊娠)の男性359名に対して実施した精液検査では、精子濃度の最低は、なんと、1mlあたり50万個で、2,000万個を下回った男性は27名(7.5%)、運動率では、最低が41.1%、平均が55.8%だったとのことです。
いかがですか?
1回の精液検査というのは、完全に男性の妊娠させる力を表わすものではないことがお分かり頂けると思います。