なぜなら、基礎体温表のどこが排卵日なのか、個人差があるからです。
一番体温が低くなった日が排卵日と言われることが多いようですが、その日が本当に排卵日である女性は全体の2割程度だと考えられています。
体温最低日前日 5%
体温最低日 22%
体温最低日翌日(低温相最終日) 40%
高温相初日 24%
これは、以前に日本産科婦人科学会の会報誌に掲載された研究結果です。
個人によって、これだけバラツキがあるのですね。
ですから、自分で排卵日を判断することはとても難しいことなんです。
また、妊娠しやすいセックスのタイミングについてですが、これまでの研究によりますと、だいたいは、排卵日の5日前から妊娠率が上がって、排卵日前日がピークになり、排卵日当日は逆に妊娠率が低下するという傾向が一般的なようです。
排卵日当日のセックスでは前日よりも妊娠率が低下してしまうのは、"タイミング"の問題というよりも、むしろ、子宮頸管粘液が減ってしまって、射精された精子がスムーズに、子宮に移動できなくなってしまうからかもしれません。
なぜなら、頸管粘液の量を増やすエストロゲンは、卵胞が大きくなるに従って分泌され、排卵後は分泌量が低下してしまうからです。
妊娠するためには、排卵された卵子が新鮮なうちに、セックスによって射出された精子が元気なうちに出会うことがポイントです。
卵子が新鮮なのは、排卵後6時間、精子が元気なには、射精後48時間とされていますので、卵子の方が時間がないのです。
ということは、卵子の約8倍も持ち時間のある精子が、卵子が排卵される前に卵管膨大部に辿り着いて、卵子が排卵されて、卵管采に取り込まれてくるのを待機するという出会い方が、最も確実で、現実的なわけです。
ということは、逆算して考えてみると、排卵の前にセックスして、精子を送り込むほうがよいわけで、排卵日当日のセックスでは、もしかしたら、タイミングを逃してしまいかねないのです。
現実的には、排卵日を、セルフで、正確に、特定することは困難なようですし、さらに、排卵日ドンピシャにセックスをすることは、決して妊娠を可能性を最大にするわけでないことが分かりました。
ということは、排卵日を特定することは、私たちが思っているほどには、意味がないといえなくもありません。
要するに、狙い打ちをするという感覚は捨てた方がよいのかもしれません。
排卵日を狙うあまりに、実は、妊娠の確率が低いタイミングで頑張っていたという、笑うに笑えないことになってしまいかねないからで、実際に少なくありません。
それよりも、周期に関係なく、週に2~3回の夫婦生活をもつことが、結果として、タイミングがあうということになるように思います。
ご参考になりましたでしょうか?