精液検査の結果は、それぞれの項目の数値が出てきますので、妊娠させる力の測定は、女性に比べて、簡単なことのように思われるかもしれませんが、意外に難しいように思います。
なぜかと言いますと、例えば、無精子症といって、精液中に精子が1個もいないとなれば、自然妊娠は、まずは、あり得ないわけですが、精子の数や運動率、奇形率が標準をやや下回るというケースでは、相対的に妊娠させる力が低いということであって、個人差も大きかったりしますので、たとえば、どの程度、自然妊娠が期待できるのか、また、人工授精で妊娠できるのか、それとも、体外受精や顕微授精のような高度な治療が必要なのか、事前に確実に知る方法がないのが実際のところではないでしょうか。
ですから、体調やストレスの影響で変動することを考えれば、少し期間をあけて、検査は何回か繰り返して受けてみられればいかがでしょうか?
ご主人の検査結果で悪かったとされた数値を拝見しますと、精子量については、個人差があったりしますし、割と体調に左右されます。
運動率や奇形率は、それほど標準値を大きく下回るレベルでもありません。
また、奇形精子は通常、受精能力がないとされていますので、精子の奇形率と生まれてくるお子さんの先天奇形の発生とは全く関係ありません。
さて、この状態で、人工授精で授かることができる確率は、既に述べたとおりで、予測は難しく、先生も6回まで受けてとおっしゃっているということは、一般的な妊娠率(数パーセントから十数パーセント)を想定されていると思います。
精子数が特に悪い数値でなかったようですので、人工授精を受けながらも、自然妊娠が期待できないこともないと思われます。
ターラさんの年齢のことを考慮に入れつつ、治療の方針を立てていかれればいかがでしょうか?
一方、もしも、検査時の体調やストレスの影響で、たまたま、数値がそのような結果になっていたことも考えられますので、セルフで体調を整えることは大切なことです。
バランスのよいお食事、特に、抗酸化物質を豊富に摂取できるように野菜や果物を豊富に、また、適度な運動も大切です。
あと、造成機能は熱に弱いものですから、あまり、下半身を圧迫する下着や熱い風呂に長く浸かるなど、下半身を温め過ぎないようにすることも気をつけたほうがよいかもしれません。
お酒が精液の状態に影響するという証拠はありませんが、飲み過ぎは禁物でしょう。
L-カルニチンとコエンザイムQ10は、軽度の運動率の低下の改善には有効であるとの研究結果が、海外からいくつか報告されています。