排卵誘発剤の副作用としては、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)や多胎妊娠だけでなく、継続した使用によって卵巣の機能が低下してしまうことも 起こり得ます。
ただし、排卵誘発剤を使えば、必ず、このような副作用が起こるとは限りません。
卵巣の状態や年齢、不妊原因等の要因、さらには、お薬に対する感受性等、遺伝的な体質によって、同じお薬を使っても、副作用がおこらない人もいれば、起こってしまう人もいるわけです。
また、お薬そのものが原因で起こる副作用だけでなく、お薬の使い方(どんなお薬をどれくらいの容量をどれくらいの期間服用するか)によっても起こりえます。
ですから、お薬の作用を得ながら、副作用のリスクを最小限に抑えることが大切です。
妊娠するためには排卵があることが絶対条件です。
現在、無排卵とのことですが、その程度によっては、年齢的にもお若いですから、セルフケアで、自力の排卵が起こることを待つという方法もあるかと思います。
もしも、早く、確実な排卵を目指すというお考えなのであれば、排卵誘発剤を使うのが現実的です。
不妊原因別の妊娠率を調査した研究データによりますと、排卵障害による不妊は最も妊娠率が高いようです。
お薬も状況に応じた適切な使い方をすればそのメリットは計り知れないといっても過言ではありません。
副作用は、正しい情報を得て、適切な認識をもっておくことは大切ですが、過剰に心配しすぎるのも得策ではないように思います。
以上のような観点で、主治医の先生と今後の治療方針をご相談されればいかがでしょうか?