鎮痛剤を長年常用している人は不妊になると聞いたのですが・・・
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Questionご質問・ご相談内容
鎮痛剤を長年常用している人は不妊になると聞いたのですが・・・
初めまして。
私は10代の頃から月経困難症で、毎月必ず鎮痛剤(EVE A錠)を2錠×6回ほど服用しています。
先日ある掲示板で、「生理痛のときに鎮痛剤を長年常用している人は不妊になる」という記事を見てとても不安になりました。鎮痛剤の長年の服用は、不妊の原因になり得るのでしょうか。
結婚前から生理痛で何度も病院に行っていますが子宮内膜症と診断されたことはありません。また筋腫などもありません。生理痛の症状は下腹痛で、酷い時は吐いてしまうくらいです。痛くなる前に薬を飲めばそれほどひどくなることはあまりないです。
ご回答よろしくお願いいたします。
お名前:しろ 性別:女性 年齢:29
結婚歴:3年 不妊期間:2年2ヶ月 不妊治療期間:0年10ヶ月
これまでに受けた検査:ホルモン検査/子宮卵管造影/フーナーテスト これまでに受けた治療:タイミング指導/ホルモン療法(クロミフェン等の薬の服用)/ホルモン療法(HMG・HCG等の注射)
Answer【回 答】妊娠しやすいカラダづくり 細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
鎮痛剤と不妊の関係については、過去に、長期間、非ステロイド性鎮痛剤(NSAIDs)を服用していた女性に、一時的な不妊が認められたとする症例の報告が、アメリカで相次いだであったことから、2001年の4月に、厚生労働省は、NSAIDsの添付文書を改訂するように通達を出しました。
それにより、製薬メーカーは、該当するNSAIDsの添付文書に、「非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性おいて、一時的な不妊が認められたとの報告がある」という内容を、使用上の注意として書き加えています。
このお薬は、炎症や痛みを引き起こすプロスタグランジンという、局所で働くホルモンのような物質の合成を阻害することで、消炎、鎮痛作用があるのですが、その作用が、結果として、卵胞が成熟しても、排卵されないまま、黄体化する状態を引き起こすためではないかとされているようです。
大切なことは、過去に、そのような症例報告があったということであって、だからといって、鎮痛剤を長年利用しているからと言って、必ずしも、不妊になるとは限りません。
まず、アメリカで報告された症例の女性は、慢性関節リウマチを患っていて、数年間、常に、非ステロイド性消炎鎮痛剤を服用していたということ、そして、不妊になってから、お薬を飲むのを中止したら、その後、正常に妊娠したこともあわせて報告されているのです。
ですから、しろさんが服用されている鎮痛剤が、長年の服用で不妊を招いた種類の非ステロイド性消炎鎮痛剤であるのかどうかが不明であること、(お薬の添付文書を確認されればわかります)長期間に渡り、毎日、服用されていたわけではないこと、もしも、万が一、その影響で排卵していないのであれば、主治医の先生に指摘されるはずであることから、しろさんが、鎮痛剤が原因の不妊である可能性は限りなくゼロに近いと思われます。
どうしてもご心配なのであれば、先生にご質問されれば、すっきりされると思いますよ。