Q1:「分割が遅くて」という話はよく聞きますが、 「分割が速くて」というのはあまり聞きませんが、どうゆう状態なのでしょうか?
A1:"分割が速くて"ということについて、明確な定義はないですが、私は、分割が通常より丸一日分以上速い状況であれば、"速すぎる"と判断しています。たとえば、採卵を午前9時ころにするスケジュールで、その2日目の午前中にすでに8細胞に到達している場合などは、分割状況が丸一日分速いので速すぎるかも知れませんね。
また、正常な受精形態が確認できていないときに、速い分割を示すことがありますので、この場合、正常な受精形態を確認できていたかも重要です。
Q2:2日目6分割でも妊娠された方の成功談を見つけましたが、一般的には妊娠率が低いものなのでしょうか?
A2:採卵日を0日として、2日目の午前中に6細胞に到達しているということであれば、確かに、分割は少し速めではありますが、 "正常な受精形態が確認できているのであれば"、私なら、この場合は許容範囲と考えますし、実際にこのような胚を移植しての妊娠例も経験します。
また、2日目の午後に6細胞であった場合は、これは、特に速すぎるということでもなく、むしろ良好な状態ではないでしょうか。妊娠例も多数あると思われます。
いずれにしても、"2日目の6細胞"という条件だけでは、妊娠率が低い状況とまでは言えないかも知れませんね。
それと、胚を評価するうえでは、分割の速さに加えて、形態も重要です。分割が速くても胚の形態が良好でない場合は、妊娠しにくくなるケースも出てくると思います。
Q3:FSHがそれ程高くなくても「卵の質」が悪いってこともあるのでしょうか?
A3:これは、珍しいことではないかも知れませんね。FSH値だけが、卵の質を反映するわけではないと思います。
Q4:「いい卵から排卵するから、もう一度IVFにチャレンジしても成功率は低い」とおっしゃいますが、生活改善の努力で初回より「いい卵」に出会える可能性はありますでしょうか?再度IVFにチャレンジするとしても、ある程度体質改善してからの方がいいのでしょうか?
A4:改善の努力も勿論良いと思いますが、実際に改善するまで待たなくても良いと思いますし、治療と同時進行で良いかも知れませんね。それと、卵巣刺激法、採卵のタイミング、用いる注射の種類・量などを試行錯誤してみることで、まだ、卵の質が改善する可能性は残っているのではないでしょうか。 担当医師によくご相談して、ご自分にあう卵巣刺激法も探してみてください。
Q5:それとも、年齢的に間を空けずに治療を続けた方がいいのでしょうか?
A5:ご年齢を拝見していますと、確かに、あまり長期の間隔をあけないほうが良いようにも思われますが、次回の治療を開始する時期については、そのときの卵巣の状態や、ご自分の気持ちが前向きになれるかどうかも非常に重要だと思いますので、担当医師にもよくご相談されるとよいでしょう。
Q6:生活の見直し、岩盤浴やヨガも始め、健康的な生活をすべく地道に努力しています。鍼灸、漢方、ヨモギ蒸しにも興味があります。サプリには抵抗があります。先生に可能性ないと言われても、子供を諦めるまで努力は続けます。高齢に強い病院への転院も検討中です。質問攻めで大変恐縮ですが、一つでもアドバイスをお願い致します。
A5:健康的な生活を送る努力をしていただくのは問題ないと思います。ただ、あまり熱心になりすぎて、かえってストレスにならないよう注意してください。あくまでご自分のペースを守って、努力されると良いように思えます。それと、子供をあきらめたくないというお気持ち大変よく伝わってきます。
納得いくまで治療を頑張ってくださいね。陰ながら応援しております。