ましてや、不妊治療の場合は、おっしゃるように、検査や治療の対象が、最もプライベートで、デリケートな"性"に関わることですから、得も言われぬ抵抗感や不安、耐え難い感覚を抱くのは、至極、当然のことで、誰だって、出来れば避けることが出来るならばという気持ちでいるに違いありません。
ただ、そうは言うものの、 お子さんを望まれて、これまで、妊娠しなかった原因を調べてもらったり、必要な不妊治療を受けることを希望されるのであれば、ある程度はお気持ちを整理してから臨みたいものですよね。
さて、いろいろご心配かとは思いますが、人間誰しも、実際の行動を起こす前は、あれこれ、いろいろな想像を巡らせてしまうものですから、案外、案ずるよりも産むが易し、ということもあったりするかもしれません。
まず、ご主人の精液検査についてですが、必ずしも、病院でマスターベーションによって、精液を採らなければならないわけではありません。
ご自宅で採って、ゆるさんが病院に持参するという方法もあります。
また、どうしても病院で採精しなければならないという場合でも、ご主人に気遣われるお気持ちはよくよく理解できますが、不妊検査や治療そのものが、 ストレスを感じやすいものですから、最近の不妊専門の個人クリニックでは、採精室のことだけでなく、ドクターや医療スタッフの方々の対応やデリカシーも含めて、患者の気持ちやプライバシーへの配慮が行き届いている施設が少なくないように思います。
ですから、その辺りのことも、病院を選ぶ上での1つの指標にされるべきです。
どんなことでも、"相手次第"ということもあると思います。
医療技術が確かであれば、患者さんへの対応なんてどうでもいいというような病院は、いまや、少なくなってきているようにも思います。
次に、フーナーテストのことですが、確かに、ある意味、セックスの痕跡を調べられるわけですから、ご自身もおっしゃるように、考えようによっては、二人の最も大切な領域を踏みにじられるような耐え難さを感じられるのかもしれませんね。
ただし、大切なことは、当たり前のことですが、フーナーテストに限らず、不妊の検査や治療の"目的"は、あくまでも、患者に妊娠してもらうことであって、決して、患者さんのプライバシーを覗き見することではないということです。
そんなドクターや医療スタッフは一人も存在しませんし、反対に、そんな目で見ること自体が、ドクターや医療スタッフの方々に対して失礼かもしれませんね。
タイミング指導についても同様だと思います。
ただ、セックスする日を他人に決められることで、精神的にぎこちなくなってしまって逆効果になるのは、全く別の原因から、よくあることです。
ですから、その辺りを配慮して、最近では、「この日にして下さい」なんていう露骨な指導は少なくなってきたようで、排卵が近づく頃から、2、3日に1回のペースで、セックスするように勧めるドクターも多いように思います。
いかがでしょうか?
もちろん、そもそも、不妊という状態は、日常生活に支障をきたしたり、命にかかわる病気ではありませんので、不妊の検査や治療を受けるかどうか、また、検査や治療を受けるにしても、どんな検査や治療をどこまで受けるのかは、決まったルールがあるわけではなく、まさに、ご本人次第なわけです。
価値観や感じ方は、人、ぞれぞれですので、決して、私たちの感覚を押し付けようとは思いません。
また、ご主人とも、あるところでは、感覚が異なることもあるかもしれません。
ですから、お二人でよくお話あいになって、お二人に相応しいお子さんの授かり方、そして、 不妊の検査や治療の受け方をみつけられればよいと思います。
ご参考になりましたでしょうか?