お子さんを望んでいるにもかかわらず、つまり、避妊しないで、定期的に夫婦生活をもっているにもかかわらず、1年から2年たっても授からない場合を不妊症と定義されています。
それは、1周期あたりの妊娠率は20%少しとされていますので、だいたい、1年から2年たてば、ほとんどの夫婦が授かる計算になるからです。
KNさんのところは、そもそも、不妊期間が8ヶ月とのことですから、一般論としては、不妊でもなんでもないわけです。
もちろん、不妊症でなければ、不妊治療を受けてはいけないというルールがあるわけではありませんが、まだまだ、不妊症とは言えない状態で、不妊治療を受ける場合は、何のために不妊治療を受けるのかを明確にしておくべきだと思います。
でなければ、無駄な治療を受けてしまうことになりかねませんからね。
さて、ご自身もお感じになっていらっしゃるように、不妊治療に限らず、お薬には副作用はつきものです。
ですから、お薬を使うということは、たとえ、副作用があったとしても、お薬を使って、治療する必要がある場合なわけで、お薬を使うかどうかはお薬によるプラス面がマイナス面を上回っているのかどうかということになります。
排卵誘発剤は、自力で排卵できない、もしくは、排卵しづらいといった場合に、人為的にホルモンを投与することで、自力で排卵できるようにきっかけをつくったり、排卵をおこさせようとするお薬です。
対症療法です。
また、問題なく、排卵がある場合でも、妊娠の確率を高めるために、複数の卵子を排卵させるために排卵誘発剤を使うこともあります。
いずれにしても、ホルモン剤は、身体に合わない場合、間違った使い方をした場合には、副作用がつきものです。
そのような観点から言いますと、特に、排卵がないとか、排卵しづらいというようなことがない状況で、かつ、まだまだ、この先に自然妊娠する可能性も十分にあるKNさんにとって、副作用のある可能性のある排卵誘発剤を使う必要性はとても低いと言わざるをえません。
治療をいったん休止して、夫婦生活の回数を増やしてみるという選択肢はとても現実的なように思えます。
そうすることはご主人の意向でもあるようです。
おっしゃるように、医源性の不妊、つまり、不妊治療が原因でより妊娠しづらくなってしまうことは、十分に起こりえることです。
技術は、それが、高度であれば、あるほど、正しく使えば、大きな恩恵を受けられますは、使い方、付き合い方を間違えれば、反対に、マイナスに働いてしまうリスクが伴うということですね。