そして、何も問題のない健康なご夫婦においても、ある割合で受精卵に染色体異常があることは避けられません。つまり、一種の自然淘汰と考えられ、予防したり、治療したりすることは、現在の医学では不可能なわけです。
ましてや、セックスのタイミングや生活習慣、食生活によっても予防できないわけですから、とても、辛く、悲しいことではありますが、受け入れざるを得ない自然の掟という他ありません。
健康な男女が、ベストなタイミングで性交渉をもったとしても、周期あたりの妊娠率がだいたい20%ちょっととされているのも、そのような事情によるものなのでしょう。
もちろん、流産の原因は胎児の染色体異常だけではなく、母体に原因があったり、ご主人に遺伝的な問題がある可能性は、100%否定することは出来ないでしょう。
ただ、そのことを、本当に心配し、検査を受けるのは、流産が2度、3度と続いてからでよいのではないでしょうか。
なぜ卵子や精子、受精卵に、ある一定の割合で染色体異常があるのか、その原因が、私たちには分からなくて、そのことを私たちにはコントロール出来なくても、染色体異常をもった受精卵は、結果として、妊娠しない、あるいは、たとえ、妊娠が成立したとしても、継続しないということは、受精卵にとって、そして、その両親にとって、本当は、悲しむべきことではなく、有利なこと、感謝すべきことであるということなのかもしれません。
なぜなら、染色体異常を抱えたまま、生まれてきたとしても、本人や両親、そして、社会の負担やリスクはとてつもなく大きいからです。
流産に終ってしまったことの本質は、母なる大自然、または、神様と言えばよいのか、いろいろな表現方法があるのでしょうが、私たちに"よかれ"と思ってのことかもなのしれませんね。