整理してみます。
まずは、夫婦生活のタイミングについて。
妊娠の可能性が高い夫婦生活のタイミングは、排卵日の2日前、排卵日前日、排卵日当日の順であることが、これまでの調査研究で明らかになっています。
精子が元気なのは射精後約48時間、卵子が元気なのは排卵後約6時間とされていることから、ポイントは、「排卵したときに、そこに精子が待機している」ということが言えるかと思います。
次に、頻度について。
誤解があるようです。
上記の通り、妊娠の可能性が高い夫婦生活のタイミングは、排卵日の2日前、排卵日前日、排卵日当日の順であるということで、3日連続で夫婦生活を持つようにお勧めしてはおりません。
ポイントは、「排卵したときに、そこに精子が待機している」ということですから、2日か、3日おきくらいのペースでよいのではないでしょうか?
ただ、頻度を高くすることで、精子数が少なくなりますが、そのことによって、妊娠しにくくなるとか、ましてや、先天性異常のリスクが高まるということの証拠はありません。2日か3日に1回のペースが現実的でよいと思います。
また、基礎体温表や排卵検査薬によって、正確な排卵日の予測には限界がありますので、タイミングについて、あまり、神経質になるのも考えものです。反対に、厳格にタイミングを決めてしまうことで、セックスが義務化してしまうことの弊害のほうが大きくなってしまいかねません。
実は、これまでの研究報告でも、"タイミング法"によって妊娠率が高まることはないとの結論が出ています。つまり、理屈は理屈として、頭では、理解しておいて、実際の行動は、自然な盛り上がりを大切にしたほうが妊娠しやすいと言えるかと思います。
頭を働かせて"制御する"よりも、身体の"野生を優先する"ほうが妊娠しやすいという側面があります。
なぜなら、男性の精子数や運動率は、興奮度に比例し、女性子宮が精子を迎え入れるのも興奮が大きいほどスムースになることが分かっているからです。
頭で考えて、妊娠を目的にした夫婦生活よりも、身体で感じて、夫婦生活を楽しむということになりますでしょうか?