精子正常形態率は受精能力を知るための目安の一つです。
つまり、精子の正常形態率が低ければ、受精能力が低いのではないかと懸念されるということです。
ただし、そもそも、15%を基準値としているのは、体外受精による受精率と正常形態率の関係を調べたところ、正常形態率が15%以上であれば、率にかかわらず、受精率は変わらないことが確認されたからです。
ですから、正常形態率が、低い、すなわち、受精能力が低いことが懸念される場合には、体外受精や顕微授精を施すことでカバ-するわけですが、だからといって、基準値の15%を下回れば、必ずしも、体外受精や顕微授精でしか受精が成立しないというわけではありません。
つまり、15%というのは絶対的なものではなく、相対的なものと認識すべきということです。
実際のところ、東京歯科大学市川総合病院における自然妊娠例では、精子正常形態率の分布は2.5%から82%との報告があります。
また、正常形態率は受精能力をはかる目安の一つに過ぎません。
同じく受精能力を知る手がかりになるDNAの損傷度については問題ないとのことですし、さらには、妊娠の成立には、精子濃度や運動率なども大きく影響しますから、総合的に判断する必要があるわけす。
しばらくは、タイミング療法をお勧めになるのは、あくまで、身体に負担の少ない方法で妊娠の成立を目指そうとのお考えによるものでしょう。
時間を無駄にしたくないとのお気持ちはよく分かりますが、不妊治療はリスクを伴うものです。
また、納得のいくまで、先生にも直接疑問点をご相談になってみるのがよいと思います。