ただし、子宮の収縮が精子の移動を助けるということがあるのかもしれないということで、医学的な根拠はありませんし、オーガズムに達しないと妊娠できないということではありません。
たとえば、人工授精で妊娠するわけで、また、実際に、オーガズムに達しなくても、普通に、妊娠しているわけです。
たとえ、そのようなメカニズムがあるとしても、オーガズムが妊娠するための条件ということではなく、あくまで、卵子に向かう精子の数を増やす可能性があるということに過ぎません。
そもそも、オーガズムによる精子吸い上げ効果がどれだけ妊娠しやすくしているものなのか、確かめるのは大変困難です。
まずは、射精とオーガズムのタイミングが一致しなければなりませんし、オーガズムに達したときと達しなかったときの、卵子まで到達できた精子の数を比べる必要があるわけですからね。
また、女性の身体のメカニズムは想像以上に精巧で、精子の移動を助けるのは、何もオーガズムによる子宮の収縮だけではありません。
排卵期が近づくにつれて、頸管粘液の粘度が変化し、精子がそこを通過しやすくなるのは、よくご承知の通りですし、それ以外にも、卵子が取り込まれた側の卵管を膨張させることで、精子が卵子と出会いやすくすると言われています。
さらに、性行為の際も、たとえ、オーガズムに達しなくても、興奮することや快感を感じるだけでも、分泌液が増加し、それも精子のスムーズな移動に貢献するようです。
まだあります。
女性側だけでなく、男性も興奮の度合いが強いほど、射精精子の量が増え、活発になるとも言われたりします。
このように、多くの精子が卵子と出会いやすくなるように、男女の身体はさまざまなメカニズムが働いているようです。
なにも、女性のオーガズムだけに囚われることはないわけです。
そんなことを気にするよりも、何も考えずに、"楽しむ"ことが一番妊娠しやすいのかもしれません。