顕微授精を実施して採卵から5日後、受精卵なしで移植中止とのことですが、文面から読み取ると、①顕微授精で受精そのものがまったく成立しなかった、②顕微授精で受精は成立したけれども、受精卵の発育があまり良くなかったため胚盤胞が得られずに移植できなかった、という二つの可能性が考えられると思います。
卵子が10個採れて、すべての卵子に顕微授精を実施して、まったく受精卵が得られないことは非常にまれですので、①のケースは考えにくく、今回の場合はおそらく②のケースではないかと思われます。
②の場合は、胚(受精卵)の質があまり良くない場合や、胚の個数があまり多くない場合には、採卵から5日後に胚盤胞が得られないことは確率的にはありえますので、C大学で治療したから起こったこととは言えないかも知れませんし、今回たまたま胚の状態が悪かった可能性も考えられると思います。
一方、今回が①のケースだとすると、C大学で治療をうけるまで問題なく受精していたのであれば、C大学における顕微授精の技術不足も否定できないかも知れません。
その場合は確かに転院も視野にいれたほうが良いのかも知れませんね。
まずは、今回移植できなかった理由が①あるいは②なのかをはっきりさせたほうが良いでしょう。
それと、子宮内膜が厚く、胚の状態が良いからといって、残念ながらいまの医学では必ず妊娠できるとは言えません。
ですが、胚の状態が良い方は、粘り強く移植を繰り返していくことで妊娠できることが多いです。
金銭的にもつらい治療ですが、良い胚ができることを前向きにとらえていただき、頑張っていただいたら良いように思います。