多嚢胞性卵巣が不妊の原因になるのは、無排卵や排卵障害が伴う場合ですが、クロミフェンで排卵できているとのことですので、問題ありません。
多嚢胞性卵巣症候群であるとの理由だけで体外受精の適応とはなりません。
ご主人の乏精子症や精子無力症は、精子の数や運動率が標準とされているレベルを下回っているということで、絶対的な不妊原因ではなく、相対的なものです。ですから、自然妊娠できるのか、人工授精を受ければ妊娠できるのか、それとも、体外受精、そして、顕微授精まで必要なのかどうかは、その程度によります。
ただ、それぞれの目安は存在しますが、あくまで目安です。絶対的な基準ではありません。
そういう意味では、3回目の人工授精で妊娠できたということは、残念ながら流産に終ってしまいましたが、人工授精で卵子と精子が出会えることが確かめられたわけです。
よって、今後も人工授精で妊娠できる可能性は十分にあると考えてよいということです。
どの時点で体外受精にステップアップすべきと考えるのかについては、もちろん、いろいろな考え方があると思います。
体外受精のほうが妊娠の確率は高くなります。
ただし、体外受精や顕微授精は、それまでの治療に比べれば、肉体的にも精神的にもかかる負担や治療費用がとても大きくなりますし、お子さんへの将来的な影響についても完全に把握されているわけではありません。
自然妊娠や人工授精で妊娠できる可能性があるのであれば、まずは、一般不妊治療で妊娠を目指すのがよいのではないでしょうか?
不妊期間や年齢を考慮に入れれば、あわててステップアップする必要はないと思います。