Q1.今回、低刺激(クロミッド+hmg)にて顕微授精をし、2つ採卵しましたが、1つは受精せず、もう1つは培養3日目で2分割しかしていない為移植が中止になりました。主人の男性不妊を指摘されており、毎回奇形率が95%を超えています(今回も97%)また私も卵巣機能の低下を指摘されています。奇形率が高い場合、顕微授精が適応と聞いていましたので、今回受精すらしなかった事がとてもショックでした。原因として何が考えられますか?
A1.文中に「受精すらしなかった」とありますが、2個卵子が採れて1個は受精したものの、3日目までに胚の分割が進まなかったということですよね?
そうしますと、2個の卵子中1個は受精が成立しているわけで、このようなケースは確率・統計学的にも充分ありえますので、現時点であまり受精するかどうかを問題視する必要はないかと思います。
ただ、受精した胚が2分割までしか進まなかったことについてですが、一般に受精が成立してから8細胞期までの分割には、精子の質も影響する可能性はあるものの、卵子の質の影響のほうが大きいと言われています。今後は、卵子の質の改善も重要なポイントになると思います。
Q2.また、誘発方法を変える事によって今回とは違う結果を期待できますか?
A2.過去の誘発法をお伺いしていると、クロミッド中心の誘発法を実施されていると思います。これは、卵巣の機能の低下により、あえてクロミッド中心の刺激になっている可能性もあると思いますので、他の誘発法に変えれば違う結果になるとは簡単には言えませんが、他の誘発法(ロング法、ショート法、アンタゴニスト法などに)について実施が不可能なほど卵巣機能が低下していないということであれば、やってみる価値はあるのかも知れませんね。一度、担当医師とよくご相談いただくと良いと思います。
Q3.奇形率が高くても、顕微授精で妊娠できるでしょうか?
A3.奇形率は100%でない限りは、通常の顕微授精で対応可能ですし、現に受精は成立しているので精子の奇形率だけを今後問題視しなくても良いと思います。ただ、精子の状態が良いに越したことはありませんので、禁欲期間(採卵日に禁欲期間が2-7日になるように調整するなど)などにも注意を払って、今後の治療頑張ってくださいね。