まずは、妊娠しにくくなる、すなわち、妊娠するまでに時間がかかるようになるということ、そして、もう1つは流産しやすくなるということです。
その他にもダウン症のことや妊娠合併症のことを心配なさる方がいらっしゃいますが、実際には、40歳以上でダウン症のお子さんを産む確率は1%程度に過ぎず、妊娠合併症も健康であれば、さほど大きな問題ではありません。
現実には、40歳代の妊娠、出産は、他の年代に比べて最も増えています。
40~44歳の女性が産んだお子さんの数は、2000年には12587人だったのが、2005年には21608人と1.7倍にもなっています。
40代になれば、妊娠しづらくなり、流産の確率は高くなるものの、現実には40代で妊娠、出産される方は増えているということです。
さて、不妊治療についてですが、不妊治療の役割は2つあって、妊娠を妨げている障害を取り除くこと、そして、妊娠する確率を高めることです。
まずは、妊娠を妨げている障害については、これまで、2度、妊娠されたとのことですので、特にないと考えてよいのではないでしょうか。
通常、不妊検査を受けても、卵管や卵管采が機能しているかどうかを、完全に把握するのは難しいものですが、過去の妊娠は、卵管や卵管采が正常に機能していることの証明になります。
そして、妊娠の確率については、根本的には、年齢による妊娠率の低下を逆転させるような治療法は残念ながら存在しません。
実際に、40代になると、体外受精と自然妊娠の妊娠率には大きな差がなくなってしまいます。
もちろん、少しでも確率を高めるために、高度な治療を受けるという選択肢もあるかもしれませんが、妊娠の妨げてになっているような原因がなければ、不妊治療の治療効果は、20代、30代に比べれば、残念ながら、それほどには、期待できないということです。
ですから、治療というよりも、機会を多く持つことが大切だと思います。
高齢になると、妊娠に至るだけの力を備えた卵子が排卵される頻度が少なくなってきますので、毎周期、排卵時期に夫婦生活をもつということです。
要するに、40代になると、不妊治療を受けなければ妊娠は望めなくなるなんてことは、決してないということです。
ただ、たとえば、排卵時期に、なかなか夫婦生活がもてないというような事情があれば、人工授精は有効な方法になるというようなことはあり得ると思いますが。
もう1つのリスクとしての流産ですが、30代後半から40代前半になると、自然流産の確率は20~25%くらいになるとされています。
ただし、それでも75~80%は出産に至る訳です。
いかがでしょうか?
実質の年齢は個人差が大きいものです。
バランスのよい食生活や適度な運動、ストレスのマネージメント、質のよい睡眠を心がけ、健康に留意されながら、ご主人との生活を楽しまれるのがよいと思います。
"案ずるより産むが易し"ということでしょうか。