ところが、不妊治療の場合は、通院をはじめてすぐに授かる場合もあれば、意に反して、何年も通うことになる場合もあります。
また、不妊検査や不妊治療は、月経周期の適切なタイミングで受ける必要があるため、必然的に通院スケジュールの制約を受けることになります。
さらには、一口に不妊症と言っても、夫婦によってその状況や程度はさまざまですから、それぞれの夫婦に相応しい治療、それぞれの夫婦が望まれる治療は、決して画一的なものではありません。
そんな不妊治療に特有な事情を踏まえて、病院を探すうえでのポイントを考えてみたいと思います。
ただし、お住まいの地域によっては、通院可能な病院そのものが限られてしまうことがあると思います。
あくまで、都市部を想定した一般論であることをご理解ください。
まずは、ロケーションです。
やはり、ご自宅や仕事場から近くて、通いやすいところにあるに越したことはないと思います。
そして、専門性です。
産婦人科や婦人科の中には、不妊検査や治療を実施しているところもありますが、可能な検査や治療が限られていたりします。
一通りの不妊の基本検査を受けようと考えておられるのであれば、やはり、不妊外来のある、または、不妊専門の病院やクリニックがベターかと思います。
3つ目は、治療方針や得意とする治療内容です。
同じ不妊外来、不妊専門のクリニックやドクターでも、驚くほど、不妊治療に対する考え方や方針が異なるものです。
出来るだけ自然な方法に近く、必要最低限の治療で妊娠を目指すのか、あるいは、早く妊娠することを最優先し、早い段階でより強い治療に移行するのか等です。
最近は、体外受精などの高度な治療を専門とするクリニックが増えていて、体外受精などの高度な治療に移るタイミングが早くなっているのではないかという印象を、個人的にはもっています。
ですから、クリニックのサイトなどで、治療方針やどんな治療をどれくらいの件数実施しているかなど、参考にするとよいと思います。
最後に、院内の雰囲気です。
施設が立派さや 病院の知名度よりも、実際に感じる雰囲気が大切だと思います。
具体的には、ドクターやスタッフの方々が、親身になって対応されている雰囲気を感じるかどうかということです。
不妊治療の場合、転院される方が少なくないとの印象も、私、個人的に持っています。
おそらく、妊娠するまでに長い時間がかかることも一因かとは思いますが、とてもデリケートな領域に触れることですから、やはり、ドクターとの相性や信頼関係がとても大切だということもあると思います。
そういう意味では、通院をはじめてから、もしも、合わないなと思ったら、すぐに転院すればよいと思います。
最後に、不妊治療の場合、病院の規模が大きいほど、また、大学病院だから、高いレベルの医療が提供されとは限らないことも知っておいたほうがよいと思います。
うまくいきますように。