疲れてしまった卵巣機能は回復しますか?
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疲れてしまった卵巣機能は回復しますか?
疲れてしまった卵巣機能は回復しますか?
約1年前から男性不妊のためAIHで通院しています。
私には特に問題はなく(卵管造影、血液検査等問題なし、むしろ優秀ですと褒められたほどでした)、主人の精子も洗浄すれば60%~80%に運動率もアップすることから、これといって大きな障害はありませんでした。
自力で排卵も出来、特に薬を使用する必要もないと思ったのですが、治療を確実なものにするためという理由からクロミッドとHCGで排卵させ、特に副作用もなく2回目のAIHで妊娠しましたが8週目で繋留流産→手術。
その後1度生理を見送りクロミッド&HCGで治療を再開しました。
ところがその後の生理が始まっても、排卵しない前周期のものと思われる卵が卵巣内に残るようになりました。
そのような状態でもクロミッド&HCGで治療を続行した結果、3カ月ほどした頃左右の卵巣が常に痛み、大量に卵巣内に卵が残るようになり、おまけに内膜も厚くならずクロミッドの副作用と言われました。
そして元々28日周期だった生理も40日を超えるようになり、基礎体温も2層には分かれるものの激しく変動するようになってしまいました。
そこでピルで1カ月卵巣を休めることに。
1か月休んだ後、また同じ方法で治療を開始。
ところが翌月また遺残卵胞が見つかりました。
先生は「今度はHMG注射で卵を育てましょう」とおっしゃったのですが、私としてはこれ以上薬や注射を使うことに抵抗があり、周期が戻るまで自然周期で様子を見たいと申し出ました。
その間に子宮筋腫と乳腺症による石灰化も発見され、薬の影響もあったのではないかと思っております。
結局卵巣内がきれいになるまで3カ月かかりましたが、周期も戻り始め体調も良くなり、左右の卵巣の痛みも緩和されてきました。
流産してからここまで約1年、無駄な時間と医療費を費やしましたが、再びスタート地点に戻り治療が出来ると楽しみにしていました。
ところが先日の高温期7日目の血液検査でE2は問題ないものの、プロゲステロンが8.6と低く内膜も8.1ミリしかなく、また薬を使ったほうが良いと言われてしまいました。
しかし薬によって卵巣が疲れ(?)周期が狂ったり、痛んだりした経験上もう薬は使いたくありません。
それに筋腫と乳腺症のことも気になります。
周期や体調は自然に戻ってきていますが、ホルモンの数値などは自然に戻るということはないのでしょうか?
年齢を考えると完全に戻すのは厳しいと思いますが、薬で疲れ果ててしまった卵巣は回復するのでしょうか?
基礎体温が妊娠前と比べて全体的にとても低くなりました。
現在は漢方薬の温経湯を処方されています。
卵巣機能の衰えは基礎体温にも関係しますか?
不妊治療が原因で私まで不妊になってしまった気がします。
早く授かりたいと祈るばかりです。
お名前:オリビア 性別:女性 年齢:39
結婚歴:11年 不妊期間:1年6ヶ月 不妊治療期間:1年6ヶ月
これまでに受けた検査:ホルモン検査/精液検査(ご主人)/子宮卵管造影 これまでに受けた治療:ホルモン療法(クロミフェン等の薬の服用)/ホルモン療法(HMG・HCG等の注射)/AIH(人工授精)
Answer【回 答】梅ヶ丘産婦人科 院長 辰巳賢一 先生
AIHに排卵誘発の併用が必要とは言えないと思います。
アメリカの教科書には、子宮頸管因子以外のAIHには卵巣刺激を併用すべきと書かれていますが、遺残卵胞や多胎の問題もあり、私はAIHを自然周期で行うのを原則にしています。
黄体期の血中プロゲステロンは、測定日が一日違うだけで、かなり値がかわります。
今回はたまたま値が低かっただけという可能性の方が高いと思います。
プロゲステロンの値が少し低いというだけで卵巣刺激を行う必要はないし、子宮内膜は8.1mmあれば充分だと思います。
一方、これまでの卵巣刺激の副作用を心配されておられるようですが、卵巣刺激をしたり、前周期の卵胞が残ったりしても、それが卵巣機能に回復不能なダメージを与えることはないでしょう。
短期的に排卵が遅くなることはあるかもしれませんが、しばらく休めば元に戻ります。
あるとすれば、年齢による変化で、これは卵巣刺激をしてもしなくても一緒だと考えられます。
また、基礎体温は一般に考えられているような多くの情報は含まれていません。
基礎体温が全体的に低くなったり変動したりというのは、何の意味もないと思います。
「不妊治療が原因で私まで不妊になってしまった気がします。」という事はないと思います。
しかし、年齢的にはかなり厳しくなりつつあります。
もし体外受精まで考えておられるのなら、早く体外受精や顕微授精に移った方が良いと思います。