薬の影響や採卵の影響で卵胞が育たなくなることはないのでしょうか?
40歳以上
Questionご質問・ご相談内容
薬の影響や採卵の影響で卵胞が育たなくなることはないのでしょうか?
体外受精を決心しました。
自然周期採卵でいくつかの凍結胚をつくり、グレードのいいものを移植する予定です。できるだけ薬は使いたくないのですが、生理3日目からフェマーラを服用するよういわれました。一回目の採卵はうまくいき、凍結することができたのですが、二回目は採卵できず、三回目は卵胞すら育っていません。これまで3年くらい排卵チェックを何度もしてもらってたのですが、卵胞が育たないことは一度もありませんでした。薬の影響や採卵の影響で卵胞が育たなくなることはないのでしょうか?
お名前:キューピット 性別:女性 年齢:40
結婚歴:4年 不妊期間:4 年 ヶ月 不妊治療期間:3 年 ヶ月
これまでに受けた検査:ホルモン検査、精液検査(ご主人)、子宮卵管造影、子宮内膜検査、フーナーテスト これまでに受けた治療:タイミング指導、ホルモン療法(クロミフェン等の薬の服用)
Answer【回 答】春木レディースクリニック 院長 春木 篤 先生
卵巣年齢によっては、経口排卵誘発剤によって、脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンが高濃度に分泌され、卵胞の発育閾値を大幅に超えることによって、卵胞そのものが発育しなくなることもあります。
現在の卵巣予備能力、いわゆる卵巣年齢によっては、経口排卵誘発剤(クロミッドやフェマーラ)によって、脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンが高濃度に分泌され、卵胞の発育閾値を大幅に超えることによって、卵胞そのものが発育しなくなることもあります。
重要なのは、前周期に経口避妊薬を内服していたかどうかと、経口排卵誘発剤であるフェマーラを内服開始される前に、基礎ホルモン値の確認や、超音波検査による胞状卵胞数のカウントをされていたかどうかだと思います。
そもそも誘発開始日に高FSH血症や、低エストロゲン血症、あるいは胞状卵胞が確認困難などの状況があった場合には、休薬期間を設けることで再び採卵は可能になるかと思います。
しかし、極度に卵巣予備能力が低下している場合には、上記の性腺刺激ホルモンの分泌をむしろ上昇させないように配慮する必要があり、できれば完全自然周期、あるいは少量の女性ホルモンを補充することで、内因性の性腺刺激ホルモン分泌を低下させ、卵胞発育を期待することも考えなくてはなりません。
相談者様の場合には、排卵誘発開始時の状況が把握されていなかった可能性と月経周期の短縮から高度の卵巣予備能力の低下が疑われます。おそらく、後者に該当するのではないでしょうか。