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妊娠しやすいカラダづくり No.817 2019/2/10
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・トピックス:バランスが最も有効なリスクヘッジになりうる
・お知らせ
・当社製品&サービス
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2019年2月10日 最新ニュース
不妊症女性における血中メチル水銀とセレンの関係
https://www.akanbou.com/news/news.2019021001.html
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2019年2月9日 曇り時々雨、のち晴れますように
質問のコツ
https://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20190209.html
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2019年2月4日 編集長コラム
妊活情報を集める、その前に・・・。
https://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20190204.html
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今月のトピックス Feb.2019_________________________________________
バランスが最も有効なリスクヘッジになりうる
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主に魚を食べることで体内に取り込まれるメチル(有機)水銀は生殖機能にマイナスの影響を及ぼすものの、セレンはその影響を軽減する作用があることを示唆する秋田大学を中心とするグループの研究結果(Environmental Research 2019; 168: 357)が発表されました。
https://www.akanbou.com/news/news.2019021001.html
秋田大学病院で不妊治療を受けている女性98名と不妊症でない女性43名の血中の水銀や鉛、カドミウム、ヒ素、マンガン、亜鉛、セレン濃度を比較したところ、セレンの濃度が不妊症女性のほうが低く、反対に水銀濃度は不妊症女性のほうが高かったというのです。
いずれも統計学的に有意な差だったとのこと。
この結果から、研究グループはメチル水銀濃度は女性の妊孕能にマイナスの影響を及ぼすこと、そして、セレンはメチル水銀の影響を軽減する作用があることが示唆されたと結論づけています。
そもそも、メチル水銀が生殖機能に対してマイナスの影響を及ぼすという研究データは数多く報告されています。
また、微量必須元素であるセレンは水銀やカドミウムなどの有害重金属の毒性を抑制する働きがあることも動物や試験管内実験で検証した多くのデータがあります。
そのため、今回の研究はヒトの体内でそれらの作用が働いていることが間接的にではありますが確かめられたわけです。
■メチル水銀は主に魚から体内に取り込まれる
水銀には大きく金属水銀、無機水銀、有機水銀(メチル水銀)の3つの形態にわけられ、自然環境中ではこれらの間で互いに変化しています。
この中で日常生活で身体に取り込む可能性が大きいのは魚からのメチル水銀です。
それは、海中にわずかに溶けている無機水銀の一部が水中の特殊な細菌の働きによってメチル水銀に変わり、それが生態系の食物連鎖によって魚介類などの生き物に蓄積するからです。
そのため、小さくて、草食の魚よりも、大きな肉食の魚のほうがメチル水銀の濃度が高くなります。
そして、私たちが魚を食べると、微量ですがメチル水銀が身体に入ってくるというわけです。
■メチル水銀と体外受精の治療成績の関係
メチル水銀は妊娠する力にどのように影響するのでしょうか。ハーバード大学の研究報告が水銀と体外受精の治療成績への影響について象徴しているように思います。
それは、実施するたびに結果が異なるというものです。2010年に1回目の報告がなされ、次に2011年、そして、2015年の2回、研究結果が報告されています。
1回目の被験者数は120名の170周期を対象としたもので、毛髪水銀の濃度が高い女性ほど胚盤胞到達率が高かったという結果で、予期せぬ結果でした。2回目は195名の271周期になり、今度は水銀濃度が高い女性ほど受精率が低かったという結果で、初回と相反するものでした。そして、3回目は205名の229周期で、水銀濃度と治療成績には関連性が見られなかったというものでした。
このように同じ試験であるにもかかわらず、対象者と周期数が増えていく度に、異なる結果が出たわけです。
■水銀の影響を抑制するもの
研究チームは相反する結果になった原因として、魚の油に豊富に含まれるオメガ3脂肪酸が影響しているのかもしれないと推測しています。
試験では同時に魚の摂取状況についても調べていて、毎回、魚の摂取量が多い女性ほど毛髪水銀濃度が高かったことを確かめています。
オメガ3脂肪酸は妊娠、出産に必須な脂肪酸で、胚の正常な発育に欠かせない働きを担っていることが知られていて、オメガ3脂肪酸をよく摂り、また、オメガ6脂肪酸に対するオメガ3脂肪酸の比率が高いほど、胚の発育が良好であるとの報告がなされています。
要するに有害なメチル水銀の摂取源である魚には「同時に」大切なオメガ3脂肪酸も豊富に含まれているということになり、そのために被験者数が多くなる度に異なる結果が出たのではないかというわけです。
また、今回の研究結果を考慮に入れるとセレン濃度も関与している可能性があるのかもしれません。
セレンは肉類や魚類、穀類に豊富に含まれています。
■いいとこどりやリスクゼロは無い物ねだり
私たちは、ある食品が妊娠に有利であるとか不利であるというような研究報告に接すると、有利な食品を積極的に食べ、不利な食品を遠ざけようという気になります。
ところが、食品に含まれる栄養素は1つではありませんし、食品に含まれる有害な物質もゼロではありません。
つまり、妊娠に有利な成分だけを摂取し、不利な成分をゼロになることなど、全く現実的ではないわけです。
いや、妊娠に有利とされている食品を積極的に食べることで偏った食事バランスになることが、なんらかのリスクを回避するには大変脆い食べ方であるということになります。
偏りがなく、種々雑多な食材を食べることで、リスクになる成分も摂取することになるかもしれませんが、それを抑制する成分も、また、摂取することになり、結局はプラマイゼロになり、有効なリスク回避になるはずです。
■なんでもバランスよくが最強の有害物質対策
有害な重金属や環境ホルモン、農薬、殺虫剤など、現代社会では、生殖機能にマイナスに作用する物質が氾濫していると言っても過言ではありません。
現代が汚染され、昔はよかったというわけではなく、研究が進み、多くのことがわかってきたということでしょう。
そんな有害な物質の害を避けようとして、オーガニックやデトックスにこだわるのもよいのかもしれません。
ただし、ゼロにすることは現実的ではありません。
そんな中で有害な物質に神経質になれば、ストレスを溜め込んでしまうだけに終わってしまいかねません。
それよりも、自然界に備わったメカニズムに目を向け、その恩恵をいただくように、さまざまな種類の新鮮な食材をバランスよくいただくことこそが、最大の武器になるはずです。
今回の研究で示されたセレンの水銀の毒性抑制作用はほんの一部です。
これまで、葉酸をはじめとするビタミンB群やイソフラボンが環境ホルモンやカドミウムの毒性を中和するという研究報告もなされています。
私たちは体内で起こっていることを完全に把握できているわけではありません。
パーツ(部分)の情報に右往左往することなく、「なんでも」食べることを心がけたいものです。
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編集後記____________________________________________________________
寒い日が続くと、運動不足気味です。今日から風呂あがりのストレッチに励みたいと思います。よい連休をお過ごしください!
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.817
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発 行:株式会社パートナーズ
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