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VOL.851 サプリメントであればなんでもいいわけではない

2019年10月06日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.851                            2019/10/6
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・編集長コラム:サプリメントであればなんでもいいわけではない
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2019年9月30日 曇り時々雨、のち晴れますように
ラグビーWカップと消費税アップと現実対応力
https://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20190930.html
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編集長コラム Oct.2019______________________________________________

 サプリメントであればなんでもいいわけではない
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10月12日から16日まで、フィラデルフィアでアメリカ生殖医学会が開催されますが、それに先立ち、学術講演会での研究発表の要約集が公開されました。

その中で、大変興味深い研究が、今年の学会の優秀演題の候補になっています。
https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(19)31939-9/fulltext

それは、サプリメントを使った二重盲検ランダム化比較試験で、パートナーが不妊治療を受けようとしている男性に、葉酸と亜鉛のサプリメントかプラセボ(偽薬)を、飲んでもらい、精子の質やパートナーの出産率を比較し、サプリメントの効果を調べようとするものです。

具体的には、2370名の男性をランダムに2つのグループに分け、一方(1185名)には1日に葉酸5mgと亜鉛30mgを、もう一方(1185名)にはプラセボを、それぞれ、半年間飲んでもらい、精液検査や精子DNA断片化率検査、そして、パートナーの出産率を比較しています。

その結果、精子濃度や精子運動率、総運動精子数、パートナーの妊娠率や出産率には差は見られませんでした。

ところが、精子の質のほうはサプリメントを飲んでいたグループのほうが有意に低下していたというのです!

さらには、早産のリスクもサプリメントを飲んでいたグループの男性のほうが上昇したと。

つまり、サプリメントの摂取は、精子の質の有意な低下や早産のリスク上昇を招いたというわけです。

研究を実施したアメリカ国立小児保健発達研究所のグループは、少なくともサプリメントで悪くなることはないだろうという認識には根拠がなかったと結論づけています。

「サプリメントが有効か無効か」ではなく、「サプリメント摂取にはリスクがある」ということを、大規模なランダム化比較対照試験で明らかにした研究が、今年のアメリカ生殖医学会の優秀演題賞候補にノミネートされたということを、しっかりと受け止めるべきではないかと思います。

医薬品には作用だけでなく、副作用(マイナスの作用)も伴うことから、そのリスクがあっても、作用を得る必要(切実な事情)があるかどうかを判断し、使用するかどうかを決定するわけです。

ところが、サプリメントは食品なのでマイナスの作用はないだろう、それで効果があれば儲けものくらいの感覚で使われることが少なくありません。

今回の研究では、葉酸を5mg(葉酸はマイクログラムオーダーが一般的)という医薬品レベルの高用量で半年間摂取したことが問題だったのではないかと考えられます。

サプリメントと言えども、不要な成分、もしくは、不要な量を摂取すれば、期待した効果ではなく、マイナスの影響を及ぼすということを今回の研究は明らかにしました。

医薬品は医師や薬剤師が管理しています。

その一方で、サプリメントには信頼できるガイドラインはありません。

そのため、そもそも、自分たちにはサプリメントが必要なのか、どんなサプリメントが自分たちに役立つのか、そして、どんな製品を選ぶべきかまで、主治医に求めるか、もしくは、自己で判断しなければなりません。

まずは、成分の働きや適切な摂取量、使用に伴うリスクについては、最低限知っておくべきでしょうし、販売者の販売情報については、鵜呑みにせず解釈することは必須です。

もしも、主治医の推奨がなければ、判断は自分にしか出来ません。

自分のことは、自分にしかわからないからです。

誰にでもあてはまる正解はなく、個別的な正解を導く必要があります。

ただ、よくよく考えてみると、このことはあらゆることにあてはまるように思えてきます。

そして、そのことを積み重ねていくことこそが、納得感の高い治療、引いては納得感の高い生活につながるのではないでしょうか。

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↓編集長コラムバックナンバー
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/
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当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 https://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・お勧めの本:妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
 http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

Nurses'Health Study3やEARTH Studyのprincipal investigatorで、栄養と生殖機能研究の第一人者であるハーバード大学のJorge Chavarro先生の初来日を記念し講演会を11月10日に東京丸の内にて開催します。

Chavarro先生をはじめ、それぞれの領域の第一人者でいらっしゃる先生方から生殖医療に携わる医療従事者が知っておくべき最新のエビデンスについてご講演いただきます。

尚、今回の講演会は医療従事者を対象とさせていただいております。

◎ハーバード大学 Jorge Chavarro先生 初来日記念講演会
https://partner-s.info/memoriallecture


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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]      VOL.851
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
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