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妊娠しやすいカラダづくり No.860 2019/12/15
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今週の内容__________________________________________________________
・更新情報
・トピックス:部分をみながら全体を整える
・お知らせ
・当社製品&サービス
・人材募集のお知らせ
・編集後記
更新情報____________________________________________________________
サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2019年12月13日 曇り時々雨、のち晴れますように
一度決めても守らなくて大丈夫
https://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20191213.html
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トピックス Dec.2019________________________________________________
部分をみながら全体を整える
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今年もあと2週間ちょっと、いろいろなことがありましたが、不妊治療では「子宮内着床環境」への関心が高まった年だったように感じます。
着床環境への関与が考えられているものの1つに子宮内細菌の影響があります。
私たちの身体のあらゆる表面には膨大な数と種類の細菌が棲みついていて(常在細菌)、どこにどんな細菌がどれくらいいるか、すなわち、いわゆる、善玉菌と悪玉菌のどちらが優勢かによって私たちの「心身の健康」に大きな影響を及ぼしていることが、大変なスピードでわかってきました。
遺伝子解析技術の進歩によって、常在細菌の種類や量を調べる精度が飛躍的に高まったからです。
そのため、新しい解析技術の登場の前と後では、大げさに聞こえるかもしれませんが、見えている世界が変わりました。
女性の生殖器官も例外ではなく、膣や子宮など、女性の生殖器官内、特に子宮内は、長い間、無菌と考えられてきたのですが常在細菌の存在が明らかになり、善玉菌が少ないと妊娠しにくくなるかもしれないということが、徐々にわかってきたということです。
そのため、昨年から今年にかけて、着床障害が疑われる場合、子宮内の細菌叢を調べる検査を実施するクリニックが増えました。
検査の結果、善玉菌が少ないことがわかった場合、善玉菌が棲みやすくなる環境を整えてくれるラクトフェリンを摂取し、善玉菌の増殖を目指します。
ただし、子宮内に限らず、細菌叢が心身の健康に影響を及ぼすことはわかっていても、その関係は極めて複雑で、善玉菌を増やせば全て解決するという世界ではありません。
その上、そもそも、妊娠の成立に関与するものやことは多く存在し、複合的に関与しています。
子宮内細菌叢についても同様に、単に子宮内の善玉菌させ増やせばよいのかと言えば、そんな単純なものではないように思えてなりません。
もちろん、単純に行くケースもあるとは思いますが。
子宮内に善玉菌が少ない場合、善玉菌(ラクトバチルスのような乳酸菌)そのものを、膣剤や経口剤を使って、どんどん入れても、一時的に増えても、時間が経つと元に戻ってしまうことが多いと聞きます。
善玉菌が少ないのは少なくなってしまう理由があるからだと、専門家は指摘しています。
つまり、子宮内が善玉菌が棲みづらい環境なのだと。
であれば、取るべき対策は「善玉菌を投与すること」ではなく、「環境を変えること」でしょう。
善玉菌が喜んでいつくような環境に変えることです。
ラクトフェリンは細菌ではないのにもかかわらず、善玉菌が増殖するのは、まさに、この糖たんぱく質が、悪玉菌が棲みにくく、善玉菌が棲みやすい環境に変わることに寄与しているからに違いありません。
そして、さらに大切なことは、腸内の環境をも整えることです。
なぜなら、腸内細菌叢が悪いと膣内や子宮内の細菌叢も悪くなることが、徐々にわかってきたからです。
考えてみれば、腸につながる肛門と子宮につながる膣は、近い位置にあり、便には腸内の細菌が多量に含まれていますので、腸内細菌が膣をへて、子宮に進入してる、つまり、つながっていると考えるのが自然です。
そう考えないと説明がつきません。
そのため、子宮内の細菌叢を改善しても、腸内の細菌叢が不良であれば、再度、元の状態に戻ってしまいかねません。
腸内環境は、食べるものの影響を強く受け、食生活が重要です。
そこで、お勧めしたいのは納豆や味噌、ヨーグルトなどの「発酵食品」を常食することです。
実際に、妊娠中に味噌や納豆、ヨーグルトをよく食べると早産のリスクが低下することを富山大学病院産科婦人科の研究グループが明らかにしています(1)。
7万7,667人の女性に食物摂取頻度調査票を使って妊娠前の発酵食品(味噌汁、ヨーグルト、納豆)の摂取頻度を回答してもらい、早産との関連を調査しています。
その結果、妊娠前に味噌汁や納得、ヨーグルトを食べている女性は食べていない女性に比べて早産のリスクが低かったというのです。
膣内の細菌叢の不良が早産や流産のリスクの上昇と関連することが知られていることから、発酵食品を食べることで腸内細菌だけでなく、膣内の細菌叢にもよい影響を及ぼしたのではないかと考えられているようです。
また、発酵食品を食べることと関連したのは、妊娠前で妊娠中ではなく、頻繁に食べるほどリスクが下がるわけではないとのこと。
つまり、毎日、食べないといけないわけではなく、週に1、2回でも「習慣的に食べる」ことが大切だということがわかります。
妊娠の成立にはさまざまなものやことが関わっていますが、どんなリスクファクターに対してどのように対処するか、不妊治療を受けるうえでとても大切です。
その一方で、身体全体を整えることで、一つ一つのリスクファクターが相互によい影響を及ぼしながら、妊娠する力が高まることが期待できるのではないでしょうか。
全身の細胞がつながっているのですから。
文献
1)Environ Health Prev Med 2019; 24: 25.
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編集後記____________________________________________________________
全体を整えるのは食生活、運動、メンタルケアです。
つまり、食べ方、身体の動かし方、心の持ち方によって、私たちの身体のパフォーマンスが変わってくるのですね。
自分の心と身体を正しく扱いたいと思います。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.860
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