Harvard Medical Schoolの研究チームは、1989年から12年間に渡って実施された70709人の看護師を、12年間フォローした大規模な疫学調査、「Nurses' Health StudyⅡ」の結果から、食事からの脂肪の摂取状況と子宮内膜症の発症リスクの関係を調査、分析したところ、腹腔鏡検査によって子宮内膜症と診断されたのは1199名で、
全体の脂肪摂取量と子宮内膜症の発症リスクには関連性が確認されませんでしたが、オメガ3脂肪酸の摂取量が最も多いグループの女性は、最も少ないグループの女性に比べて、子宮内膜症の発症リスクが22%低く、トランス脂肪酸の摂取量の最も多いグループの女性は、子宮内膜症の発症リスクが48%高いことが分かりました。
コメント
この疫学調査の結果は、食生活のパターンは、子宮内膜症の発症に影響を及ぼすことを物語っています。
つまり、何をどう食べるかによって、子宮内膜症にかかりやすくなったり、かかりにくくなったりするということです。
トランス脂肪酸は人工的に加工された植物油のことで、マーガリンやショートニングなどに多く含まれていますので、トランス脂肪酸の摂取が多いということは、たとえば、スナック菓子やケーキ、ファーストフードなどの加工食品が多い食生活ということになります。
オメガ3脂肪酸の摂取が多いということは、肉よりも、魚を多く食べていたり、野菜や果物、海藻類を豊富に食べる食生活ということになります。
脂肪酸は、脂肪を構成する成分で、脂肪酸を選んで食事をするわけではありませんから、子宮内膜症にかかりにくい体質を目指して、オメガ3脂肪酸をたくさん摂って、トランス脂肪酸を少なく摂るということは、すなわち、食生活全体を見直すということになると思います。