副流煙(受動喫煙)は体外受精の受精率や出産率を低下させる

不妊改善・生殖医療関連

2011年08月05日

Human Reproduction

周囲にいる人が吸うタバコの煙である、副流煙(受動喫煙)にさらされた女性は、さらされなかった女性に比べて、体外受精での成績が低いことがアメリカで実施された試験で明らかになりました。

ミシガン大学公衆衛生学に研究チームは、1994年から2003年までボストン地域の不妊クリニックで体外受精を受けた1,909人のタバコを吸わない女性の3,270周期を対象に、副流煙にさらされた女性とさらされなかった女性の副流煙の影響を調べるために、卵胞液中のニコチンの代謝物「コチニン」の濃度と受精率や出産率の関係を分析しました。

治療成績に影響を及ぼす因子を排除した結果、受精しなかった割合は、副流煙にさらされた女性は、さらされなかった女性に比べて、52%高く、出産率は、25%低いことが分かりまた。

卵胞液中のコチニン濃度を通して測定した副流煙は、体外受精で受精率や出産率の低下に関連することが分かりました。

コメント

これまでも副流煙の治療成績へのマイナスの影響についての報告がありましたが、今回は、対象者の数が多いこと、副流煙の影響を卵胞液中のニコチンの代謝物の濃度で測定していることから信頼性がより高いと言えます。

本人がタバコを吸わないだけでなく、他人の吸うタバコの煙にもさらされないことが大切です。