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妊娠しやすいタイミング

妊娠の第一歩は、精子と卵子が出会って受精すること。セックスのタイミングが重要です。

妊娠の最大のポイントは"タイミング"

子どもを望むとき、いわゆる子づくりにおいては、"タイミング"が重要なポイントになります。

ここでいう"タイミング"とは、自然妊娠では「排卵された卵子」と「射精された精子」が出会うことをいいます。子どもを望むカップルは、「卵子が排卵される頃を見はからってセックスすること(=タイミング)」が妊娠への近道になります。

"タイミング"が大切なのは、自然妊娠に限らず、不妊治療でも同じです。不妊治療は、医師からセックスの日を指示される「タイミング指導」からスタートするのが一般的で、人工授精や体外受精では、さらに排卵のタイミングをより正確に見極めて治療を行います。

このように、妊娠は「タイミングが命」なのです。


妊娠可能な時期は6日間、排卵2日前が最も妊娠しやすい

セックスのタイミングが大切なのは、精子と卵子が受精できる時間が限られているからです。

まずは、精子の話です。腟内に射精された、数1000万、数億個という精子は、子宮頸管から子宮へ移動、そこから左右の卵管内に入り、卵管膨大部へと向かいます。これは一気に進むのではなく、いったん子宮頸管の粘液内で待機し、そこから順繰りに卵管に向かうと考えられています。

また、最終的に卵管膨大部まで到達できる精子は、たったの数100個といわれます。そして、卵子と受精できる精子は、もちろん1個だけです。精子の道のりは、実に過酷なサバイバルレースなのです。精子が女性の体内で生きていられる時間は5日間ほどで、この間に卵子に出会わなければ、受精は起こりません。

続いて、卵子の話です。卵巣から排卵された卵子は、卵管采から卵管内に取り込まれ、卵管膨大部で精子と出会います。卵子が受精できるのは、約24時間とされています。排卵から24時間以内に、精子と出会って受精しなければ妊娠には至りません。

これらを計算すると、排卵の5日ほど前から排卵日頃の間にセックスすると、卵子と精子が出会えることになります。つまり、妊娠の可能性のある日は、1周期に6日間ということです。しかし、卵子が生きている時間は精子より短いので、実際には「排卵したときには、すでに精子が卵管膨大部で待機していた」という出会い方が多いはずです。そのため、妊娠の可能性のある6日間でも、セックスをする日によって妊娠率に差が出ます。

これまでの研究で、排卵日よりも前にセックスしたほうが、妊娠の可能性が高いことがわかっています。最も妊娠する可能性が高いのは「排卵の2日前」、その次が「排卵の前日」、そして「排卵日」の順です。「排卵日が最も妊娠しやすい日」だというのは実は誤解で、排卵日はすでに妊娠率が低下しているのです。


排卵のタイミングを予測する

妊娠の可能性を高めるには、妊娠の可能性のある期間に、たくさんセックスすることです。そのためには、おおまかにでも排卵日を予測する必要があります。基礎体温表は一つの目安になりますが、それだけでは排卵日を予測することはむずかしいものです。病院では、超音波検査やホルモン検査で、より正確な排卵日を予測しているのです。ここでは、自宅でできる方法を紹介します。


◎頸管粘液の量と状態で排卵日を予測
子宮頸管とは、腟と子宮をつなぐ部分のことで、頸管粘液はそこから分泌される物質です。頸管粘液は、ホルモンによって分泌量が変化するので、その変化から排卵を予測します。

月経後しばらくは頸管は乾いた状態ですが、数日後には湿り気が出てきて、少し粘液が分泌されます。そして、排卵が近づくにつれ、精子を受け入れやすくするために分泌量が増加します。

排卵が近づくと、透明で卵白のように弾力性がある頸管粘液が分泌されます。これを親指と人指し指ではさみとり、指をゆっくりと離してみます。10cmくらい伸ばしても途切れなくなったら、排卵日が近いという目安です。

頸管粘液の変化には個人差があるので、誰にでもあてはまるわけではありませんが、一つの目安として活用してみましょう。


◎排卵日検査薬を使って排卵日を予測
排卵日検査薬は、排卵直前になると大量に分泌される黄体ホルモンの変化(LHサージ)を尿中の濃度で測って、排卵日を予測するものです。

検査薬が陽性になった日の翌日あたりが排卵日なので、陽性になった日にセックスするのがよいとされています。そして、その次の日も続けてセックスするほうが妊娠の確率は高くなるといえます。

ただし、排卵検査薬の精度はそれほど高いというわけではありません。陽性の出方が明確でない、排卵時期でないにもかかわらず陽性になるといったこともあり、注意が必要です。詳しくは、商品の説明書で確認しましょう。排卵日検査薬は薬局で購入できます。

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