はじめに
妊孕性(妊娠力)の樹を育てよう
妊孕(にんよう)性とは「妊娠する力」のことで、本来誰にも備わっているはずの力です。ところが、睡眠不足や極度のストレス、運動不足など、現代特有の生活スタイルが妊孕性を低下させてしまうことはあります。何気なく過ごしている毎日の環境や、いつもの生活習慣が、生殖能力に影響を与えていて、それらが原因の不妊は全体の80%にも及ぶのではとの意見もあります。(*1)
「妊娠への5つのステップ」では、生活習慣や生活環境を見直すことを提案しています。それにより、妊娠力を取り戻して、健康的な妊娠を目指すのが目的です。
妊娠するために最も必要とされる条件は、"質の良い卵子"と"元気な精子"が出会うことです。この条件が整えば、少々のタイミングのずれや年齢が多少高くても、すなわち、少しくらい不利な条件があっても妊娠するものです。
つまり、妊娠を望むとき、取り組むべきは少々の困難は克服してしまえるような、"良好な卵子"と"元気な精子"を育むカラダをつくることです。
そして、"良好な卵子"や"元気な精子"を育むのは、薬や注射、外科治療等の医療ではなく、誰にでも備わっている「妊娠する力」に他なりません。
もしも、この「妊娠する力」が一時的に低下して妊娠しづらくなっているのなら、まず取り組むのは、"治療"よりも"妊娠力"を取り戻すことでしょう。
<妊娠への 5つのステップ>
Step1 生活スタイルを整える(食生活・睡眠・運動)Step2 性生活を充実させる(セックス)
Step3 不足しがちな栄養素を補充する(サプリメント)
Step4 ココロの状態を整える(ストレス緩和)
Step5 医療の力を借りる(不妊治療)
日常の生活を見直すことは、カラダに本来備わっているはずの"生殖力"を取り戻し、同時にカラダの自然治癒力を高めます。その恩恵は計り知れません。もしかしたら遠回りに思えるかもしれませんが、急がば回れ、結果として妊娠への近道になるはずです。
どっしりと大きな樹は、一朝一夕に育つものではありません。大地にしっかりと張った根が、強い幹を育て、枝から青々とした葉を伸ばし、やがて豊かな花や実で彩られます。さあ、あなた自身の妊孕性の樹を育て、健康的な妊娠を目指しましょう!
(*1)不妊予防のためのマニュアル(日本不妊予防協会)P.4