step5医療の力を借りる

病院選び

「病院を受診しよう」と思ったら、どんな所を訪ねればいいのでしょうか? そのヒントに。

不妊治療の病院、さまざまな特徴

病院を受診するにあたり、自分たちが治療に何を求めるかを、ある程度はっきりさせると病院選びがしやすいといえるでしょう。

「とりあえず基本の検査だけ」ならば、近所の産婦人科が通いやすいかもしれません。妊娠しにくいと感じる気になる症状がある、女性の年齢が高い、「高度な医療も視野に入れている」ということであれば、不妊専門クリニックや「不妊外来」などのある病院を訪ねるのが、妊娠まで回り道が少ない可能性があります。


●病院の種類と特徴
不妊治療といっても、さまざまな病院やクリニックがあり、どこを訪ねればいいのか迷ってしまうかもしれません。一般的な特徴をまとめました。


[大学病院・総合病院]
・産科があれば、妊娠後も引き続き受診できる。
・他にも多くの科があり、連携がとりやすい(持病など)。
・医療設備が充実していることが多い。
・一般的に待ち時間が長く、診療時間は短い。
・担当医が診察のたびにかわることがある。
・妊婦さんと待合室で同席することも。
・診療時間が限られているため、通いにくい場合も。


[産婦人科・個人医院など]
・産科があれば、妊娠後も引き続き受診できる。
・自宅の近くで見つけやすい。
・担当医は同じことが多い。
・不妊治療に詳しい医師がいるとは限らない。
・体外受精など高度な医療を行っていない場合も多い。
・妊婦さんと待合室で同席することも。


[不妊専門クリニック]
・不妊治療が専門、治療水準がある程度期待できる。
・体外受精など高度な医療を受けられる。
・胚培養士など、不妊のスペシャリストがいる。
・カウンセラーがいる場合も。
・夜間診療、長時間の診察時間など、通いやすい面も。
・都市部に集中していて、通いにくい場合も。
・初診が予約の場合、数カ月待ちという場合も。
・自由診療が多く、負担が大きいことも。
・妊娠したら転院が必要。
・入院設備はないのがほとんど。


病院を選ぶ参考ポイント

自分たちが、治療に際して何を重視するかによって、病院選びのポイントは違ってくることでしょう。こうした点を参考にしてみてはどうでしょう。


[通いやすさ]
検査や治療は、月経周期に応じて月に数回通うことになるので、自宅や職場から交通の便がよいと通いやすい。また、診察時間は自分の生活スタイルに合っているかどうかをチェック。


[治療方針]
施設によって治療方針・治療法が異なります。特に不妊専門クリニックは、独自の方法を打ち出す施設が増えています。自分が望む治療方針や治療法と合っているか、事前に確認できればしておきましょう。


[治療成績の公開]
どのような治療法で何人くらい妊娠したか、それを公開しているかを、確かめてみましょう。体外受精であれば、年間の実施件数や年齢・年代ごとの妊娠率などを聞いてみるといいでしょう。


[メンタル面のサポート]
不妊体験や不妊治療は、ココロが辛く傷つく出来事です。不妊カウンセラーなど、メンタル面でサポートする施設も増えています。


[治療費など]
不妊治療では検査の多くは保険適用ですが、専門的な検査は自費負担のことも。また、人工授精や体外受精には保険が適用されません。度重なると高額なので、あらかじめ費用を確かめておくといいでしょう。治療費とは別に、交通費などもかかります。


[男性の場合]
基本検査(精液検査)だけなら女性とともに婦人科で受けることができます。ただし、不妊専門クリニックの中には男性不妊外来を設けているところもあります。本来は、男性不妊を専門とする泌尿器科医の診断を受けます。


[医師との相性]
受診のたびにストレスがたまるような医師との関係では、通院が辛くなります。親密になるということではなく、「訊ねたことに答えてくれる」「次の治療について提案してくれる」といったことからでも、医師の誠実さは伝わるものです。


通院するうちに、「なにか違う」「ここではできない治療をしたい」と思うことも出てくるかもしれません。そんなときは、転院を視野に入れてもいいのです。

病院選びも治療も、選択は1つではなく、選択するのは自分たちカップルです。治療にどう向かうか、基本の方針を決めておき、あとはその都度、カップルでよく話し合って取り組んでいくことが大事です。子どもは、男性と女性の両方がいるから生まれるもの。そして、不妊治療は、夫と妻の両方がいるから行える治療なのです。

どんなときも、二人でよく話し合うことが基本です。

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